ピンズの様々なジャンル FIFA ワールドカップ編 |
国際サッカー連盟(FIFA)が4年に一度開催する国または地域の代表による大会、それがFIFA World Cupであるというのは皆さんご存知でしょう。
サッカーは単独競技人口が世界最大のスポーツであり、かつワールドカップは国・地域別の大会ということで、盛り上がりという点では世界最高の大会でしょう。規模としても、スポーツイベントではオリンピックに次ぐ(テレビ視聴ではNo,1 だそうです)大会であります。
第一回は1934年にウルグアイで開催されました。ご存知のように日本は1998年のフランス大会で初めて本大会に出場できました。そして、日本は2002年韓国との共催によりホスト国として本大会に出場。決勝トーナメントにまで駒を進めました。この時期に私が出会ったのがピンズ…そう、これが全ての始まりでした。ピンズ自体についてお話しする前に、私とピンズとの出会いからお話します。
私は2002年のGW前にPCを購入し、初のネット生活を楽しんでいました。丁度5月末にワールドカップ開幕を控え、日本中が盛り上がりをみせていた時期です。もちろん私も注目していましたが、まだピンズとの関連性を見出すまでには至っていませんでした。
初めての"My PC"を購入したということもあり、色々な事を試してみようと思っていました。そこで私は噂に聞く「ネットオークション」なるものをやってみようと思いました。色々と物色していましたが、まず気になったのがワールドカップ関連グッズです。その中で素人目にも気になるピンズを発見してしまったのです。
それがこのピンズ。朝日新聞がリリースしたピンズのセットです。1ヶ1ヶではそうでもありませんが、組み合わさると造形的に非常に面白い作りとなっています。このピンズを機に改めてワールドカップのピンズをオークションで検索してみると、そこには素晴らしいピンズワールドが広がっていたというわけです。
2002 FIFA World Cup Asahi Simbun count down ball
最初の2ヶ月位はネットオークションオンリーでしたね。しかし、そこで知り合った長野の方から「ピンズの交換会がある」との情報を仕入れました。私は何だかよく分かりませんでしたが、とりあえず長野の交換会に参加することにしました。新幹線で長野に行くのも初めてでしたが、とりあえず会場へ。そこでお誘い頂いた方に挨拶し、初ピントレ会体験をさせてもらいました。そこで、ネットでは見たこともないワールドカップの珍しいピンズ・長野オリンピックのピンズなどの存在を初めて知りました。(ピンバッグも初見でかなり驚きましたが。)
長野のピンズ文化やそこでお会いした人々とのやりとり、、、それらは今まで見てきた、「ネットの中のピンズワールド」とは全く違ったものに感じられました。残念ながら当時の東京方面には、定期的に開催されるピントレードの場所というものがありませんでした。
しかし、11月になると長野からの協力もあり、ワールドカップ決勝の舞台である横浜の地でピントレ会が開催されることになりました。そこで東京近郊のピンコレクターの方々とお会いすることになったのです。旬のワールドカップばかりでなく、オリンピック・ディズニー・ハードロックカフェ等々多種多様のジャンルのピンコレクターさんとお会いすることが出来ました。そこで、ピンズに関わるありとあらゆる知識を色々な方々より教えて頂きました。今では横浜でのピントレ会はありませんが、その経験・人脈は、現在の東京ピントレーディングにしっかりと受け継がれています。
かなり長い序文になりましたが、FIFAワールドカップのピンズこそ私のコレクションの始まりである事はお分かり頂けたと思います。オリンピックと比べるとピンズの種類は少ないですが、2002FIFAワールドカップでは1000種近くのピンズがリリースされました。今回はその2002年の日韓共催のワールドカップピンで紹介させて頂きます。
スポンサーピン
ワールドカップもスポンサー収入は非常に重要です。スポンサー側にとっても、そのメリットは非常に大きいと言えます。スポンサーはオフィシャルパートナーとオフィシャルサプライヤーの2種があります(ライセンシーも一種のスポンサーですが、限定の商品のみ使用可なので、ここでは除きます)。 配布・抽選・商品添付など多種多様で、一番集め応えのあるジャンルではないでしょうか。実際、私はこれから入りました。
オフィシャルパートナー ~ オフィシャルパートナーとは、世界的な商業活動(FIFAワールドカップの名称やロゴ等の使用)を認められたスポンサーです。2002年のワールドカップでは、アディダス・アバイア・バドワイザー・コカコーラ・富士ゼロックス・富士フイルム・ジレット・現代自動車・日本ビクター(JVC)・KT/NTTグループ・マスターカード・マクドナルド・フィリップス・東芝・Yahoo!の各社です。全ての企業がスポンサーとしてピンズをリリースしています。
2002 FIFA World Cup Official Partner TOSIBA / adidas / Yahoo!
オフィシャルサプライヤー ~ オフィシャルサプライヤーとは、開催国の国内のみで商業活動を認められたスポンサーです。2002年は共催ですので、日韓それぞれに存在しました。日本では、朝日新聞・日本生命・日清食品・野村證券・東京海上火災・東京電力、韓国ではロッテホテル・現代海上火災 (HM&F)・浦項製鉄 (POSCO)・金剛高麗化学 (KCC)・大韓航空・国民銀行の各社です。日本では東京電力、韓国では大韓航空・国民銀行を除く各社がピンズをリリースしています。(東京電力は確実にピンズを出していませんが、韓国のスポンサーには直接確認をしていません。)
2002 FIFA World Cup Official Supplier Asahi Simbun(Shoes) / LOTTE HOTEL
メディアピン
FIFAワールドカップでは、多くのメディアが現地入りします。オリンピックよりは少ないですが、幾つかのメディアはピンズを製作してきます。オリンピックと同じく、他のピンズに比べ希少価値が高く、コレクターにはとても人気があります。
2002 FIFA World Cup MEDIA PREMIERE ( 6 Players pins )
2002 FIFA World Cup MEDIA TV TOKYO / REUTERS / ESPN・abc Sports
主催者ピン
2002年ではJAWOCが主催側としてピンズをリリースしています。格調高いタイタック仕様が多いですね。
JAWOC(2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会)
招致ピン
オリンピックと同じく、ワールドカップでは激しい招致合戦が繰り広げられます。2002年の開催を巡っては、最初から共催を目指していたわけではありませんので、日本・韓国共に招致ピンが存在します。各国の招致委員が付けたり配ったりするものです。2002年の招致の際には日本の招致委員会が一般市民向けにフレンドリークラブを結成し、入会するともらえたピンズもそれに当たるのでしょう。
2002 FIFA World Cup bid Japan / Korea / Japan ( Friendly Club )
キャンプ地ピン
各国選手団が開催国で大会前にキャンプをはります。コンディション作りにとても重要なものです。世界中から取材陣が訪れる為、キャンプ地の名前は世界中に発信されます。ですから、キャンプ地に名乗りを上げる自治体は非常に多いのです。カメルーンのキャンプ地となった中津江村の名前は一躍有名になりましたよね。そんなキャンプ地の立候補をした自治体が製作するキャンプ招致ピンと、決定してから製作するピンズの2種類に大別出来ます。
2002 FIFA World Cup Camp bid Kariya city / Russian Camp Shimizu city
オフィシャルライセンスピン(コカ・コーラ)
コカ・コーラはオリンピックでもそうですが、ピンズを"商品"として販売もしています。2002年のワールドカップの際には、直営のピンズ専門店"PINS ARENA"を東京駅と羽田空港にオープンしていました。シリーズピンやフレームピンも多かったですね。日本国内のみで250種のピンズを販売していたのですから、その力の入れようが分かるというものです。(韓国でも独自の販売ピンがありました)
2002 FIFA World Cup Coca-Cola Coca-Cola GROUP 8
オフィシャルライセンスピン
FIFAにお金を払って商品に付加価値を付ける、という点ではスポンサーの一部ですが、200を超える企業がライセンシーを取得しています。厳密に言うと、FIFAに許諾された商品カテゴリーの独占的な商品化及び販売が可能なのがライセンシーです。
ピンズ目線で大別すると、ワールドカップ限定モデルの商品にピンズを付けるというものが1つ。そして数として圧倒的に多いのが、ピンズ(ピンフレーム含む)自体をお土産・記念品として販売するというものです。
ピンズは小さくかさばらないアイテムであり、お土産や記念グッズとして人気があります。但し、FIFAワールドカップはオリンピックと比べると競技はサッカーの1種(当たり前ですが)ですし、どうしてもデザインに限界があります。その割に種類が多いので、必然的に苦しいデザインも出てきます。つまり、似たものばかりが多いですし、逆にサッカーとは全く関係のないデザインのピンズも多く出されているのです。といった理由から、私はほとんど持っていません。ワールドカップ終了後は、多くのオフィシャルライセンスピンがネットオークションや100均で叩き売り状態でした…
2002 FIFA World Cup Tasaki Shinju (Mascot 3 pins set) / official 2 pins
その他(関連ピン)
これはとらえ方が難しいのですが、ワールドカップに関連または連想させるピンズが色々とあります。例えば、スポンサー(ライセンシー含む)以外の企業・団体はFIFAワールドカップの名称やロゴ、マスコットなどを当然使用することが出来ません。しかし、限られた言葉やデザインで明らかにワールドカップを意識していると分かるピンズも多くあるのです。先日ご紹介したハードロックカフェ編での2002サッカーベアもそう言えばそうです。実際にワールドカップに関わったものとしては、埼玉スタジアムの警備にあたった警察官の方が付けていたピンズなどがあります。あのファッションブランドのセリーヌは会長がサッカーファンのため、W杯を記念したラインを発表。ピンズも出しました。ディズニーは”2002ミッキーワールドサッカー”とこれまた微妙な感じです。どちらにしても、「盛り上がろう」という観点ではいいのかな、と思います。
SPH (SaitamaPrefectural Police Headquarters : 埼玉県警察本部) / 2002 CELINE / 2002 Mickey World Soccer
以上の様に、ワールドカップ一大会でもかなりの種類のピンズが製作されるわけです。それに各代表のピンズまでとなると、その数は更に増えることになります。私も未だに追いかけているピンズが幾つもあります。つまり、「私の2002 FIFA World Cupはまだ終らない」のです。(永遠に終らないと思います。) 大会前から終了まで、そして終了後も、まだ手にしないピンズがある限り続くのです。その楽しさ「プライスレス!」
今回ご紹介したピンズはほんの一部ですが、面白さを感じて頂ける方がいらっしゃれば幸いです。改めて、ピンズと出会えたこと、そしてピンズを通じて出会った方々に感謝いたします。